講演会レポート

(第3回消費者セミナー)平成9年3月8日 講師 植村振作氏

暮らしの中の化学物質汚染

 食べ物だけが問題ではありません 

最近は、食事に気をつけ無農薬食品等を食べている人が増えてきました。しかしそれだけでは不十分です。私たちの周りは、たくさんの化学物質により汚染されています。

 化学物質の体内への取り込みは1.経口(食事等)2.経皮(接触)3.経気道(呼吸)の三つがあります。特に三番目は、気がつかないうちに室内の汚染された空気を呼吸しているので要注意です。

室内空気汚染の汚染源の主なものは、防虫剤のパラジクロルベンゼン、合板やクロスに使われているホルムアルデヒト、畳の防虫シートに含まれるスミチオン等の農薬、シロアリ駆除剤のクロルピリホスなど、プラスチックに含まれている各種の添加物等があります。

 シロアリ駆除剤による汚染の深刻化

近年、シロアリ駆除による汚染が深刻になってきています。

 強制換気システムにより、シロアリ駆除剤によって汚染された空気が二階にまで循環してしまい遊んでいた子供が倒れたケースがあります。またここでは床下の汚染土を除去し活性炭を敷きつめたにもかかわらず、あまり効果はありませんでした。

 別のケースでは、シロアリ駆除をした家が床下換気扇を取り付けたことにより、隣家の方に汚染された空気が流れ込み、隣家の子にアトピー等アレルギー性の症状が出てしまいました。

床下収納庫に保存しておいた米が汚染されてしまった例もあります。汚染は洗浄しても除去することはできませんでした。

 廃棄時にも安全な住宅を

 最近は機械に頼った人工的な環境の住宅が増加しています。それにより、シロアリ・ダニ等が発生しやすくなっています。人にとって住みやすい環境は、虫たちにも住みやすい環境なのです。そのため虫を駆除するためにたくさんの薬品が使われ、その汚染によりアトピー・喘息等のアレルギーや化学物質過敏症が多発しているのです。

 近頃の住宅建材には、合成樹脂が多用されています。合成樹脂には劣化防止のため、多量の化学物質が添加されています。

 これらの建材が廃棄され焼却されるとダイオキシンが発生します。事実神戸では、倒壊家屋の焼却時に多量のダイオキシンに観測されました。

また火災の時に有毒ガスが発生するため、窒息死する人もいます。おかしないい方ですが燃えても安全な住宅を建てる必要があります。

 青年の精子濃度低下

 化学物質汚染は現在を生きる私達たけでなく、未来にも影響があります。最近の青年の精液濃度は年々低下し、遺伝子そのものにも深刻な影響が出ています。

昨年の0157の被害も、殺菌剤の使い過ぎによる免疫機構の低下がもたらしたものかもしれません。

 自然なものにも気を配って

 木酢液が自然なものとして注目されていますが、気をつけなくてはいけません。自然界にそのままの状態でおかれたものはそれなりのバランスを俣っていますが、人為的に手を加えられ濃縮されたものはバフンスを崩して不自然なものに変化しています。

 使い方を閻違えると危険なこともあります。

 自然と調和した暮らしを大切に

 植村氏の講演を聞いて私が考えたことは、以下のことです。

 人は快適な住環境を追い求めてきました。住宅を機密化して、冬は暖房、夏は冷房をすることにより 一見快適な環境を手に入れました。しかし、そのためにかえって異常な環境を造り出してしまったと思います。

 現在多用されている多量の殺虫剤、科学薬品は、その代表的な産物です。悪循環に陥っているように思います。私達は得たものより失った物のほうが多いのではないでしょうか。

 自然に挑戦するのではなく調和する暮らしを求める時期にきている気がします。

(野澤)

 

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